ゲイラカイト

俺と同級生の桃井君ふたりでの体験なんだが、 小4の正月休みに桃井君が弟のゲイラカイトを持って来て 暇だし公園でこれ上げるかあみたいな話になった。 もう30年近く前だけど、 当時のゲイラカイトを知ってる人はわかるかもしれんが 今の子供向け凧と違って紐が恐ろしく長かった。 たぶんガチで飛ばせば30メートルくらいの高さに上がるんじゃないだろうか、 その日は風も結構あったので、凧がむちゃくちゃ高く上がった。 高くまで上がった凧を制御するのは怖い。 飛んで行ってしまう怖さもあるし、 紐を通して上空の風の強さが手に伝わるから どこかに連れ去られそうな恐怖を感じる。 俺と桃井君はやべーよ、これおろさねーとやべーよ! とか騒ぎながら限界ギリギリまで伸びた紐と格闘していた。 その時、ゲイラカイトのイカを思わせる顔が突然、 漫画の笑い顔のようになって、 フワーッとこちらを指さす手と指のようなものが浮かび上がり、 俺と桃井君を笑いながら指さした。 桃井君が 「うわーー!」 っと悲鳴を上げて、 紐を投げ捨てた。 俺は桃井君が逃げ出した事に恐怖して、 同じく叫びながら逃げた。 桃井君の家まで走って帰り、 和室の掘りごたつの中に二人で飛び込んで 「顔が動いた!!」 とワーワー騒いで抱き合った。 「お前、先こたつから出てくれや!!」 「お前が先出てや!!あいつおりそうで怖い!」 と俺らは悲鳴を上げながら こたつの中に隠れていた。 そのまま5分ほどが過ぎた頃、 桃井君のお母さんが部屋に入って来て、 「あんたら…外の友達なんやの?」 と言った。 俺らはお母さんが来たことで安心して顔を出すと、 お母さんは無表情で 「あれ、誰なの??」 と繰り返した 桃井君が 「え?誰のこと?なに?」 と聞いて窓に向かおうとすると、 お母さんは 「あかん!!!!!」 と叫んで桃井君の腕をつかんだ

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